コース紹介
INTRODUCTION

物理/化学の枠組みを超えて
物質の本質に迫る

豊かな社会の礎を築く物質科学コース

物質科学コース

新しく多彩な機能をもった物質は未来の礎となります。原子、分子レベルで物質を極限的に操り、物質の機能を引き出す新たな手法を開拓することで、新機能の実現や新しい形での応用が可能になります。

物質科学コースは、画像科学科とナノサイエンス学科を母体としており、上記のような視点で物質の可能性を追求します。物質の個性を活かすため、単一原子・分子、結晶表面層、ナノカーボン、ナノ構造半導体、有機分子など、多様な物質群を扱っています。

分子操作、特殊な結晶表面形成、精緻な化学合成、理論的な理解と物質設計、新たな物質評価手法、特殊な光による物質操作や応用技術などを、物理学と化学、工学と理学の枠を超えて研究し、エレクトロニクス、フォトニクス、画像デバイス、記録素子やセンサーなどへの応用を目指しています。国際的な研究協力も活発で、世界最先端の研究を進めています。

物質科学コースでは、物質科学の根幹となる物理と化学の両方をしっかりと学び、高学年で専門性を高め、デバイス工学や画像科学をはじめとした物質科学とその応用分野へと展開します。4年次には研究室で最先端の研究に加わります。分野の壁を超えて学び広い価値観を養い、物質科学分野で活躍する力を身につけます。

また、理数大好き学生選抜入試、自由課題研究型プロジェクトなど、研究者への成長を応援する取り組みも行っています。

物質科学コースアドミッションポリシー

原子・分子レベルのナノスケールの世界を操り、新しい科学・工学領域を切り拓く意欲のある人。特に、夢と強い探究心と粘り強さを持つ人。

コース長挨拶

物質科学コースコース長 宮前 孝行

物質科学コースコース長 宮前 孝行

2020年代に入り,世界は目まぐるしく変化しています。身の回りでも食品や日用品,電気をはじめあらゆるものが急激に値上がりしているのがニュースでも大きく取り上げられています。

ちょうど50年前にも,世界では大きな価格変動が起きました。奇しくも当時中東で起こった戦争を機にオイルショックが起こり,石油価格は大きく高騰,店頭からは色々な日用雑貨が姿を消しました。

このオイルショックの3年前,アジアで初めてとなる日本万国博覧会が大阪で開催されました。この万博の中で,三菱未来館で展示されたのが,50年後の未来予想図,つまり,私たちが生きている2020年代を予想した展示でした。

スマートフォンも,パソコンも,インターネットすらなかった1970年代,そこから社会は急激に進歩し,今や一人一人がパソコンやスマートフォンを持ち,インターネットから家電を操作する。企業や学校の授業もオンラインやリモートでこなし,現金を使わずに電子決済で過ごすことが出来る。さらにAIの登場により,私たちの生活基盤,生活スタイルは今後ますます変わっていこうとしています。これが,今私たちが生きている2023年です。

では,さらにこれから先,50年後の未来はどのようなものになっているでしょう。ドラえもんが誕生するのは2112年,89年後です。技術革新のスピードは凄まじく,50年後には本当にどこでもドアや,タイムマシン,宇宙旅行が現実のものとなっているかもしれません。


物質科学コースで扱っている物質や技術は,今すぐに役に立つものばかりとは限りません。今は何に役に立つかはわからないけれど,もしかしたら50年後の未来にはなくてはならない新素材や技術が,この中から生まれるかもしれません。未来のことはわからないけれど,未来を覗き,未来を創り出すことが出来る,それが物質科学の面白さだと思います。入学した皆さんと共に,未来を創り出す物質を探索していく作業を行っていければと思います。