〜「界面」から機能を探索する〜
「表面とバルクは違う」ということが最近の研究では当たり前のこととして言われています。では表面や界面とバルクでは何がどのように異なっているのでしょう。
表面や界面を定義するとき、そこには必ず「向き」が存在します。水の表面で言えば上が空気で下がバルクの水になり、その2つの媒体に挟まれた境界面が「表面」であり「界面」なのです。そして、界面における分子の「向き」は、親水・撥水、接着性、生体適合性、摩擦、帯電、抗菌性など、およそ界面で分子が繰り広げる様々な物性や機能に大きな影響を及ぼしています。
和周波分光は、対象となる試料に波長の異なる2つの短パルスのレーザー光を照射したときに、異なる媒体が接する境界面だけから発生する特異的な光を利用した、「表面・界面に存在する分子の挙動を選択的に観ることのできる」手法です。
この研究室では、和周波分光をはじめとする各種の計測手法を駆使して、親水性や撥水性、摩擦、生体適合性、接着、剥離、分子吸着、液体界面、さらには有機デバイス内部の電荷輸送現象の解明など、表面や界面で起こる様々なミクロ・マクロな現象と分子との関わりを分光学的手法で明らかにすることを目指しています。
Topics last update; 2025/01/14
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配属希望の学生,研究の内容を聞きたい学生は宮前まで直接メールをください.InstagramやX(旧Twitter)等で直接コンタクトしていただいて構いません.また1年次,2年次の学生でも歓迎です(2025/01/14)
・Jpn. J. Appl. Phys.に共著論文が掲載されました.産総研九州センターの佐藤友哉さんとの共同研究の成果です。MIS-CERIVという手法を用いて,有機ELデバイス内部の電荷移動度の解析を行った研究です.(2025/01/14)
"Direct evaluation of effective hole mobility in multilayer organic light-emitting diodes using MIS-CELIVtechnique"Sato, Tomoya; Katagiri, Chiho; Miyamae, Takayuki, Jpn. J. Appl. Phys.,Accepted.
・J. Chem. Phys.に論文が掲載されました。University of Texas at AustinのS. T. Roberts groupとの国際共同研究の成果です。この論文では,両極性を示すインジゴ界面について,ESFGとVSFGの両者を駆使して,そのトランジスタ特性と界面の状態を明らかにしたものです.(2025/01/07)
"Molecular orientation of dielectric layers at indigo/dielectric interfaces impacts the ordering of indigo filmsin organic field-effect transistors", K. Tanoue, H. Ishii, C. L. Marsters, S. T. Roberts, T. Miyamae
J. Chem. Phys. 162, 014704 (2025).DOI:10.1063/5.0242748
・The 31st International Display Workshops(IDW24) (Sapporo, 2024/12/4-6)でM2の甲斐清香,鏑城竜也が発表しました->Meetings->Photos
・新しい可視紫外分光器(JASCO-V730)が納入されました (2024/11/28).->Instruments
・University of Texas at Austin から,Dr. Sean. T. Robertsが来日し,講演,共同研究を行いました(2024/11/20-11/30) ->Photos.
・ Congratulation!
第18回分子科学討論会でM1の仲野綾君が優秀ポスター賞を受賞しました.→第18回分子科学討論会2024優秀ポスター賞 2024/10/25
・ACS Applied Electronic Materialsに論文が掲載されました。森本和紀さん(D3)の研究成果です。この論文では,微細加工OLEDで問題となるクロスストークの要因となる横方向リークについてVSFG分光を用いて,非発光状態の横方向リークの存在を可視化した研究です (2024/10/11)
"Experimental and Theoretical Approaches for Detecting LatentLateral Leakage Current of Organic Light-Emitting Diodes", K. Morimoto, R. Sato, S. Noh, and T.Miyamae, ACS Appl. Electron. Mater., 6 (2024)7145-7153.DOI:10.1021/acsaelm.4c00997
・第18回分子科学討論会 (京都大学, 2024/9/18-21)にて、発表を行いました->Meetings
・第75回コロイド界面化学討論会 (東北大学, 2024/9/17-20)でM2の小渕諒介が発表しました->Meetings
・EURODISPLAY 2024 (Grenoble, France, 2024/9/18-20)でD3の森本和紀が発表しました->Meetings
・第73回高分子討論会 (新潟大学, 2024/9/25-27)でM2の山ア聖人、池田美咲が発表しました->Meetings
・KJF-ICOMEP2024(Busan, Korea, 2024/8/29-31)でM1の仲野綾が発表しました。学会後に、Sogang大学のProf. Kimの研究室を訪問し、研究について議論させていただきました->Meetings ->photos
・IMID 2024(Jeju, Korea, 2024/8/20-23)でM2の鏑城竜也が発表しました。->Meetings
・The 11th International Conference on Molecular Electronics & Bioelectronics (M&BE11) (Matsue, Shimane, 2024/6/19-21)でM1の仲野綾、宮前が発表しました ->Meetings->photos
・第62回日本接着学会年次大会 (富山国際会議場, 2024/6/27-28)でM2の山ア聖人が発表しました
・第3回東葉筑玉合同セミナー (筑波大学, 2024/6/25)で6名の学生が発表を行いました。->Meetings
・Invited talk物理化学的手法を用いた食品コロイドの構造観察 "分子美食学〜スウィーツから介護食まで〜" (酪農学園大学, 2024/7/24)で宮前が発表しました
宮前孝行、和周波で食品の表面を科学する ->Invited Talks
・Invited talkThinFilm2024 (Singapole, 2024/7/15-19)で宮前が講演しました
Molecular Orientation at Organic semiconductor/Dielectric Interfaces and their OFET DeviceCharacteristics
Takayuki Miyamae ->Invited Talks
・高分子(高分子学会機関誌)2024年6月号に,解説記事を寄稿しました.
“和周波発生分光による界面分析”, 宮前孝行,高分子, 2024年6号, Vol/73, No.6, 269-270.
・新しく4年生が4名加わりました (2024/4/1) ⇒Members
・第71回応用物理学会春季学術講演会(東京都市大学, 2024/03/22-25) で5名の学生が発表を行いました。->Meetings
・東京工業大学からレーザー分光装置を移設しました(2024/02/20-21)。 ->photos
・The 14th Japan-China Joint Symposium on Conduction and Photoconduction in OrganicSolids and Related Phenomena (Nagoya University, 2023/12/12)で、宮前、M1の鏑城達也が発表を行いました。
・TACT2023(International Thin Films Conference, Taiwan, 2023/11/12-15)でM1の山ア聖人、池田美咲の2名が発表を行いました。
->Meetings
・第9回SFG研究会(東京工業大学, 2023/11/12-13) で宮前が招待講演,学生5名がポスター発表を行いました。->Meetings->photos
Charges meets nonlinear spectroscopy, Takayuki Miyamae (invited)
・Springer-Nature社より、Interfacial Phenomena in Adhesion and Adhesive Bondingが出版されました。Open Accessです。(2023/10/30)Editors: S. Horiuchi, N. Terasaki, T. Miyamae
Chapter 5, "Analysis of Molecular Surface/Interfacial Layer by Sum-FrequencyGeneration (SFG) Spectroscopy"
・第72回高分子討論会(香川大学, 2023/9/26~28) でM1の池田美咲、宮前が発表しました。->Meetings->photo
・分子科学討論会2023(大阪大学,2023/9/12~15)でM2の田上功己、宮前が発表しました ->Meetings->photo
・第74回コロイドおよび界面化学討論会(信州大学, 2023/9/12~15)でM1の小渕諒介が発表しました ->Meetings->photo
・14thEuropean Adhesion Conference & 7thWorld Congress on Adhesion and RelatedPhenomena(EURADH/WCARP, Germany, 2023/9/10~13)でM1の山崎聖人が発表しました ->Meetings->photo
・The 13thSPSJ International Polymer Conference(IPC2023, Sapporo)でM1の山崎聖人が発表しました.(2023/7/18) ->photo
・有機EL討論会第36回例会で森本和紀が発表しました.(
2023/6/22)
->Meetings
・Organic Electronicsに論文が掲載されました。森本和紀さん(D2)の研究成果です。この論文では,スマートフォン用OLEDで用いられるTop-emissionがたOLEDについて,VSFG法を適用し,金属電極に挟まれた有機積層内部でのキャビティ効果によりSFG信号の増強が起こる現象を初めてとらえました (2023/6/7)
"Operando measurements of top-emission organic light-emitting diode using electric-field-induceddoublyresonant sum-frequency generation vibrational spectroscopy", K. Morimoto, T. Kaburagi, H. Ohata, S. Noh,and T.Miyamae, Organic Electronics, 120 (2023) 106862.DOI: 10.1016/j.orgel.2023.106862
・第2回東葉筑玉合同セミナー (埼玉大学, 2023/5/12)で4名の学生が発表を行いました。->Meetings
・オレオサイエンス(日本油化学会機関誌)2023年4月号に,総説記事を寄稿しました.
“和周波発生分光で観る液体界面の分子挙動”, 宮前孝行,オレオサイエンス, 2023年4号, 199-206.
・新しく4年生が5名加わりました。(2023/4/3 ) ⇒Members