千葉大学 工学部 画像科学科

学科紹介ビデオ [NEW!!]


学科紹介パンフレット

ご希望の方は広報担当まで,メール ( info-gazou@ml.chiba-u.jp ) などでご請求ください.

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アドミッション・ポリシー (こういう人に学んで欲しい:求める能力や適性)

基盤学問に立脚した画像の形成・表示・記録・伝送などの技術,ならびに人と画像のかかわりに興味を持ち,画像を通して人に優しい未来を実現する意欲のある人.

ディプロマ・ポリシー (卒業までに身につけること:到達目標)

  • 工学技術者としての目標設定や新しい知識・能力の開発に努める姿勢を継続的に身につけている.また,社会的規範,法令遵守の姿勢を身につけている.
  • 画像科学分野の概要を理解し,社会における画像科学の役割を認識している.実社会との関わりを知り,持続的な社会発展のための思想を身につけている.
  • 普遍教育の履修を通して,人文科学,社会科学など,広い学術的視野を得るとともに,人間社会における画像科学が果たせる役割について考える姿勢を修得できる.
  • 専門科目講義,学生実験専門科目の履修を通して,画像科学を支える,応用物理学,材料科学等の学術分野の知識を体系的に修得すると同時に,画像システムにおけるこれらの位置づけを人間の視覚特性や感性に立脚して理解し,画像科学を多面的な観点から分析できる.
  • 講義を通して得た知識を実際に体験し,知識と実際を融合すると同時に,実験結果をレポートにまとめる過程を通して,図や数式を用いた,論理的思考・表現を体得できる.
  • 自身の研究成果や文献調査結果の発表および討論を通して,自分の考えを伝え,相手の考えを理解するための日本語によるプレゼンテーションやコミュニケーションができる.
  • 学術課題に対して理論的,実験的研究に取り組み,結果をサポートするための学術文献調査,特許情報調査ならびに他者との討論を通して,工学的課題を解決するための方法論を習得できる.さらに知的財産権や倫理に配慮しつつ獲得した知識・技能・態度等を総合的に活用することができる.

  • 学科案内

     画像科学は,化学・物理はもとより,人間の感性など広範囲にわたる基礎学問体系から成る総合学問領域です.この領域は他大学にはほとんど存在しないユニークな学際領域のため,社会的にもこの分野で広く支持を集め,先導的な役割を果たしてきました.本学科の母体は,長い伝統を誇る印刷・写真・TV ですが,様々な新型ディスプレイや電子ペーパーの出現,印刷技術を利用した電子デバイスづくり,ナノメートルサイズの材料を用いた新しい画像素子の提案などにより画像のマテリアルの分野は大きな変貌を遂げようとしています.また,そうした画像マテリアルの進歩にともない,新しく形作られた画像を評価する人間の感性の分野が重要となっています.

     本学科のカリキュラムは,化学と物理を基盤学問領域とし,人間の領域をそこへ重ねて,画像科学とそれに立脚した画像の科学・工学について,一貫した教育を行います.専門教育に入る前に,化学,物理,数学の実験を含む基礎科目や,もの作り・画像作りなどのユニークな実験を通して基礎学力を身につけます.そして,専門教育では,段階的にかつ体系的に配列された画像マテリアルや人間の感性についての科目を修得して総合的な学力を身につけ,4年次の卒業研究に備えます.4年次には,1年間の卒業研究を行い,最先端の研究に触れることを通して多くの体験を積むことができます.
     前進学科の卒業生の約 60 % は博士前期課程 (2年) へ進学し,学部教育で身につけた基礎をもとに,さらに高度な研究に取り組みながら,高い問題解決能力を身につけ,高度技術者・研究者として活躍するための基盤を築いていくことができます.さらに博士後期課程 (3年) に進み,最先端領域の研究者への道が開かれます.

     我が国において,画像マテリアルとそれに立脚した工学,そしてそれを利用する人間の感性を取り扱うカリキュラムは極めて希有であり,大きな社会的ニーズが伝統的に存在します.従って,ユニークな本学科/コースが提供する知識・技術を習得した卒業生/修了生に対しては,画像に関わる事務機器メーカー・総合電機メーカー・印刷会社・写真会社,半導体やエネルギー等に関わる電機メーカー・コンピュータ系企業,画像関連の公共企業,等々における専門家や,総合的な画像マテリアルおよび画像デバイス設計・創製者としての活躍が期待されています.
     画像の科学やそれに基づいた工学分野,あるいはそれを利用する人間の分野に興味があり,積極的に取り組む好奇心旺盛な学生を大いに歓迎します.

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    カリキュラム

    カリキュラムの3本柱

     化学,物理の基礎のもと,人間工学の視点を取り込んだ総合工学としての 画像を「科学」します.画像をキーワードに,ハードウェア,素材,プロセス,伝送,処理,評価,等の,幅広い領域を横断的に理解する教育を行います.
     画像を扱う工学/科学は,非常に広い学問領域を基礎に置いています.しかしすべての目標は,美しく,快適で,人間のためになる 画像技術の発展にあります.画像を作るところから使うところまでを学ぶことは,従来の分野の垣根が無意味化するほどに 境目の曖昧になった現代の先端工学技術の一断面を理解することに通じます.

     カリキュラムは以下の3つの大きな柱に沿って組み立てられています.
    ★ 画像を作るマテリアルに関する科目
    ★ 光と物質の関わりに関する科目
    ★ 画像を見る人間についての科目

     入学試験において理科は,化学あるいは物理で受験することになっていますが,「画像科学」は化学あるいは物理だけで成り立っている訳ではありません.そのため,1年生から,「化学」「数学」「物理学」等の基礎から実験も含めてしっかり学ぶ事になります.高校在学中は,物理と化学の両方を一通り学んでおくことをお勧めします.また同時に,画像科学がどの様な学問であるかを導入的セミナーやイメージサイエンス総論で学ぶことになります.
     2年生に進級すると,画像科学に関わる専門基礎を学びます.例えば,化学分野では「画像物理化学」「画像有機化学」等を,物理分野では「視覚情報処理」「振動と波動」を,人間の分野では「色彩と画像」や「人間と画像」を学ぶことになります.また,実際に画像を作る「画像作り実習」も行います.
     3年生では,より専門性の高い授業を受講することになります.例えば,「固体物性論」「光機能材料」「物質センシング」「レーザ工学」「画像記録工学」「画像と感性」などです.その他,「工学倫理」や「画像産業汎論」等,社会において重要な知識を身につけます.
     4年生では,学科内の各研究室に所属して,最先端の画像科学を研究するという卒業研究を通して実践的な体験をします.
     「画像」の領域では,同じ工学部の情報画像学科と相互に連携し科目の提携を行っています.同様に「化学」の領域では共生応用化学科と相互に科目提供を行っています.他学科から提供される科目を受講してより広い知識を得ることが出来ます.

     カリキュラムは関連領域,とくに情報画像学科との密接な連携のもとに運営され,画像に関する基礎から応用までを幅広く,そして深く学ぶことができます.なお,情報画像学科では,情報工学の基礎を重視し,その上で画像技術を含めたマルチメディアに関する教育も行われます.画像科学科とは密接に関連しており,教育も連携的に行われますが,視点と目標が異なります.

    カリキュラムの概念図
    ※クリックで拡大画像になります.これらの専門科目の他に,普遍教育科目を履修します.